第1話 竹内真帆編①

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 ……本当、いい加減にしないと。  白いソファにもたれかかったまま、充電プラグを差しっ放しにしたスマホを手に取る。    着信はない。  メールが届いている。ロックを解除して確認してみた。  届いているのはたったの1件だった。もちろん、トキからではない。 「……よりによって」  美貴奈からだ。  つい3か月前に結婚したばかりの、高校時代の同級生だ。  高校卒業後は1度も会うことなく、10年ぶりに連絡が来たかと思えば「結婚式に来てほしい」というお願いだった。他の同級生にも会えるということで、懐かしさもあったから出席した。  高校時代から、美貴奈は人形みたいに可愛かった。久しぶりに会ったけれど、相変わらず華奢で小さかった。笑うと頬にえくぼができるのも変わっていなくて。
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