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幸せそうだった。
彼女が身に着けていた白いAラインのウエディングドレスは、目立った装飾のないどこまでもシンプルなものだったけれど、それが返って彼女の無垢さを際立たせていた。
隣に立つ、グレーのタキシードを着た長身の新郎もまた、目鼻立ちのはっきりしたモデルのような人で。披露宴の際、新郎紹介を聞けば、T大卒で大手銀行に勤務しているエリートだという。
……そういえば、美貴奈自身、関東の有名女子大に合格したんだったっけ。
「いいなあ」
「うらやましい」
「ミキナちゃん、さすがだね」
おそらく美貴奈と同じ大学に通っていたと思われる女性数名が、ため息交じりに話しているのが聞こえた。
誰もがうらやむような結婚。
それを果たした美貴奈からのメールは、今の私にとって煩わしいもの以外の何物でもない。
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