第1話 竹内真帆編①

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「もしもし? マホ?」  少し鼻にかかった、愛らしい声が聞こえてきた。 「久しぶり。急にごめんね、電話して」 「ううんっ、もしかしてメールの件?」 「うん。ちょうど今、仕事が落ち着いててさ。何かやりたいなあって思ってて」  嘘。  無職なんだけど。  言いたくないから言わない。 「そっかあ、ちょうど良かった! パソコン持ってたらすごく楽な仕事なんだあ。携帯からでもできるけど、パソコンの方が楽にできるよ。マホ、持ってる?」 「うん、あるよ」 「ネットつながってるよね?」 「うん」 「じゃあねえ、今からその仕事のサイトのアドレス送るから、登録してみて。今友達紹介キャンペーン中でさ、私が送ったアドレスから登録すると1万ポイントもらえるから」
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