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--4.え,マジすか--
周りの目を気にしながら
俺は何処かへ連行される。
「あ,あの…逢沢くん?
何方へ向かってるのかな?」
「後で分かる」
「それとさ…手,離してくれないかな?」
すると,逢沢は少し頬を紅潮させて
「す,すまない…」
と謝り,手を振り払った。
外国では男同士手を繋ぐのが
当たり前の文化なんだろうか?
彼は帰国子女らしいし,
多分そんなフレンドリーな環境で育ったからの
行動だろう。
でも,何故頬を紅潮させたんだろうか?
階段を登って,辿り着いた場所は屋上。
何故,屋上?
そんなに周囲の人に聞かれたくない話なのだろうか?
「実は…非常に言いづらい事なんだけど」
逢沢が口を開く。
言いづらい事?
「花月の事か?
それなら大丈夫だよ,俺から別れ告げたから」
多分花月の事なんだろうと思い,
俺はそう言った。
多分逢沢も俺と花月が付き合っていた事く
らい知っているだろう。
だから,念のために言っておいた。
「いや,違う」
え…?
花月の事じゃないのかよ?
御前ら仲いいんじゃねぇの?
「確かに七瀬さんとは仲は良いが,
恋愛感情は持っていない」
あ,そうですか。
取り敢えず此処から立ち去りたい。
「あの…もうすぐで授業だし…
戻ってもいいかな?」
俺が雰囲気に耐えられなくて,
その場から抜け出そうとした。
すると
「駄目」
後ろから抱きしめられた。
「え,あ…逢沢くん…?」
「此方見ないで」
「え…なんで?」
「いいから見ないで」
彼の言葉は冷たいようで優しい。
てか,なんで抱き締められてるの俺。
「逢沢くん,あの…」
俺よりも少し身長が高い逢沢は
俺の肩に顎を乗せる。
「一度しか言わないからよく聞いて。
俺ね,アンタの事好きなの」
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