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(‥‥どうしよぉ。みんな接客中だしなぁ‥‥) 客の眼鏡を持ちながら考えてる隙に スタスタとカウンター席へ行き座りながら 「して?マコっちゃん」 制服のネームプレートで名前を確認したんだと直ぐ理解したが 初対面の客に‥‥しかも男性に ニックネームを付けられた事が 段々心の中に不安が渦巻く。 でも相手はお客様‥‥ 真琴は不安を拭い客の横に立ち 片膝を付いて顔を見上げながら言う。 「それでは‥‥。フィッティング差せて頂きます」 両手でテンプルを持ちゆっくり掛けさせる。 耳に掛かった髪を断りを言い後ろに流しながら 先セルと耳後ろの状態を確認した。 (‥‥問題なんて‥‥ない。 凄く綺麗にフィッティングされてる‥‥) 刹那、その姿勢のまま固まる真琴の手首をグッと掴まれた。 ビックリして一歩後退すると 「マコっちゃん? フィッティングはまず、レンズの中心に印を付けてからした方が いいんじゃないかなぁ?」 振り向きながら真琴をジッと見詰め、左口角を上げる客。 セルフレームの奥にある鋭い瞳に 思わず身動き出来ずにいた。 「‥‥‥若。新人を虐めないで下さい」 丁度、検査を終え出て来た健太が 客を睨みながら歩み寄る。 「これは‥‥健太じゃん。 まだ頑張ってんだ?」 ,
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