出会い

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「これで戻って秋斗君たちが女の子に絡まれてたらヘコむよねー」 「確かに!でもそれはないよ!そんなに長い間離れてるわけじゃないし」 というけども、私には自信なんて無かった。 それにあの2人なら声かけられてても不思議じゃないし。 2人の元へ戻ると嫌な予感が的中し、秋斗たち2人は女の子の2人組に絡まれていた。 それを見て私は顔を見合わせた。 2人とも声には出さずとも、どうしよう、と思っている事がお互いに分かった。 そして秋斗たちに視線を戻す。 「ねぇー良いじゃん!遊ぼうよ!」 「俺たち人待ってるから他行って」 「じゃあその人も一緒に遊ぼうよ!」 その時1人の女の子が功介の腕を掴んで引っ張りだした。 その手を功介は心底鬱陶しそうに振り払いながら言った。 「うぜぇなお前ら。さっさとどっか行けよ」 それでも引き下がろうとはしない女の子が、今度は秋斗の腕を掴んだ。 その時私は秋斗と目が合った。 「あ、功介、帰って来たぞ」 そう言って秋斗と功介が私たちに近寄って来る。 「それ、重そうだね。持つよ」 「えっ?」 秋斗は言い終わると同時に私の荷物を持ってくれた。 「あ、ありがと」 「ほら、愛希ちゃんも!」 さっき知らない女の子達に向けていた鬱陶しそうな顔では無く、満面の笑みで功介が話しかけた。 そして功介は愛希の荷物を持つ。 「良いよそんなの、悪いから」 「良いの良いの!俺たちが持つからさ!」 「あ、ありがと」 そのやりとりを見ていた女の子達は悔しそうにその場を去った。 「あの子達功介君の知り合いだったの?」 「いや、全然知らないやつ。あいつらうぜーんだよ。何回断ってもしつこく誘ってきやがるしさ!」 「ほんとに!全然可愛くもねーしな!あいつら愛希ちゃん達見て逃げて行ったの見たらちょっとすっきりしたな!」 「確かに自分達じゃ敵わないと思ったんだろ?」 「そりゃあそうだぜ!こんな可愛い子達が相手じゃな!」 達ってそれ、私も入ってるの? 確かに愛希は可愛いと思うけど… 私は全然可愛く無いし、普通だよ? ていうか、功介君…愛希の方ばっかり見てるし。 愛希の方が可愛いけどさ、私も一緒にいるんだよ?
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