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カチャン。そんな、金属が触れ合うような音がした。
少年の刀をしまう音だった。周りには一太刀で絶命された、六つの死体。しかし、少年には一滴も返り血がついていないため、この死体を作ったのが少年であることに頭がついていかない。
俺はフッと息を吐いた。
が。
カキーン
いきなり真横から不意打ちで切りかかられる。咄嗟に鯉口をきり対応する。素早く弾いて距離をとった。
そこには四人の男がいた。皆、同じ濃い色の羽織を羽織っている。雰囲気から相当の手練であることを感じる。
なんだよ、こいつら…
「すみません、いきなり。ところで聞きたいのですが、あなたは辻斬りですか?」
丁寧な言葉遣いで俺にそんなことを聞いたのは、初めに斬りかかってきた男。初めから是以外の言葉を欲していないのが声色から読み取れる。
「違う、と言いたいんだが。」
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