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「依存‥‥ねえ」
呟きながらカルテ整理に集中し始める若菜。
拭き上げた眼鏡をクロスに包んで
客の名札が書いてあるボックスに置いた。
「でもさぁ、天使の指導係僕だっただろ?
楽しかったよ‥‥
良かったら僕が真琴君の指導‥」
「断る」
「‥‥ははは。やっぱ面白い」
「お前、からかってんだろ?」
「いいえ?真剣ですが?」
(若菜は時々、何考えてんのか分かんねーわ。)
表情を変えず平静に会話する若菜を横目に見ながら小さく溜め息。
「ってか、この際健太も琉生君も拓真君も
一転に引き受けようか?」
「‥‥は?」
「指導係だよ。成長して貰わないと天使が大変じゃないか」
「‥‥‥」
「僕は天使の味方だよ。
天使が良いように店が動けばいい。
僕の望みはそれだけさ」
「‥‥若菜」
(‥‥一体どこまで信じりゃいーんだ?
若菜‥‥何を考えてる‥‥?)
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