第7話

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--5.それは無理だから-- はい…? アンタの事好きなのって何だよいきなり。 意味わかんねぇし。 俺は逢沢の事興味もないし。 もしかして,此奴…噂のホ,ホモじゃねぇの…? まさか鈴木の奴…それを知ってて…? 彼奴あともう一発殴る。 「俺と付き合うの,付き合わないのどっち」 逢沢が耳元で囁く。 帰国子女ってこんな事までするのか! 何処まで馴れ馴れしいんだ! 俺は日本生まれの日本育ちの日本人だ。 そんなスキンシップの激しい所で育ってないんで ほんと何なの,この文化の違い! しかも何か強制されてるような気がする。 「あ,逢沢くん…?」 「何」 御前はホモなのかなんて聞けるか! 聞けるわけがない。 「何でもない,ごめんな」 「言って」 「いや,何でもないって」 「そりゃ,男だしどうせ付き合うなら 七瀬さんみたいな可愛い女の子の方がいいよね」 当たってる。 そりゃ男だし? 御前は俺より身長あるし顔は整ってるし。 女の子らしい要素何もねぇじゃん! 胸があるわけでもなければ, 下半身には余計なもん付いてるし。 それに事実すぎて,何も言えない。 「まぁ,そうだね」 って俺何言ってんの? まともに答えたら,逢沢だって傷つくだろ! 俺は阿呆か! あ,阿呆だったわ。 「ごめんな,佐藤」 何故か謝られた。 「いやいや,俺こそごめんな」 「男から告白されて迷惑じゃなかった?」 迷惑っていうか…初めてだからなぁ… 男に告られたの。 だからはっきりとは答えられない。 「だ,大丈夫だけど…男に告白された事なんてないんだよね俺」 「だろうね,でも俺はアンタの事ずっと見てた」 何故帰国子女はさらっとこんな事を言えるのか。 すげぇよ帰国子女。 恥ずかしくないのだろうか。 俺,何気御前の事尊敬するわマジ。 「なんでそんな事を恥らわずに言えるの?」 俺がそう問いかけると彼はクスッと笑い, こう言った。 「それくらい普通だろ, 俺はアンタの事が好きなんだから」 って。 御前マジすげぇわ,尊敬するわ。 俺が感心していると,丁度チャイムが鳴った。 「あーあの…悪いんだけどさ もうチャイム鳴ったし戻ってもいいよね?」 俺がそう言うけど, 彼奴は駄目の一点張りだった。
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