極道恋愛歌 

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「好きな奴いるって言ったじゃん。それに、男に…俺に興味ないって……」 「興味ないって思ってたんだけど…気付いたらお前の事ばっか考えてた。好きな奴はお前の事だよ」 「………」 嬉しい…はずなのに、要は素直に喜べなかった。こんな自分を好きだなんて信じがたかったし、好きになってもらう資格なんて無いと思った。 「だからさ、生きてても楽しくないなんて悲しい事言うなよ。楽しい事知らないなら俺が教えてやる。俺が、生きてて良かったって思わせてやるよ」 その瞬間要の中で、今まで生きてきて感じた事のない感情が湧き起こった。その感情の名前は分からない。温かくて、だけど切なくなるような何かだ。
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