健太 × 天音

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真新しい新築の匂いが、まだ仄かに残る白を基調とした建物 俺は今日も小さな花束と ピンク色のカメラを持って 廊下の突き当たりにある部屋に向かった。 ここまで来て 最近はかなりの割合で 『面会謝絶』 天音の部屋の前に掛けられた 真っ赤なプレートに 無機質な言葉 小さく溜め息を付いて 持ってきた物を、ソッと入口に置く。 プレートに表示された 彼女の名前を指先で撫でながら呟く。 「また、明日」 返事の無い言葉 虚しく響く俺の声 だけど言わずにいられない。 繋がっていないと 不安に押し潰されそうで 孤独に負けそうで ‥‥‥泣いてしまいそう ,
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