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───琉生・梓
「琉生~。買い過ぎ~
どんだけ呑み食いする気なのよぉ~」
仕事帰りにデパート地下で、食糧とビールを買って小学校以来行ってない丘を目指し歩いていた。
「こんなに遠かった?」
「もぉ~。小学生の頃の体力とは、違うんだからぁ~」
「はは‥‥本当だ。
だけど、こうやって二人で歩くのもデートでしょ?」
登り坂で肩を上下に呼吸を整えてる梓の手を
ギュッと握り締める。
視線が合いフッと笑い合う二人。
「あそこの角曲がったら、あるんじゃなかったかなぁ?」
「あと少し!
僕が引っ張ってあげるから」
片手に買ってきた買い物袋を持ち
もう片方は梓の手をしっかり握っている。
引っ張るその背中を眺めながら、思わず笑ってしまう梓。
付き合う前は、ずっと私の後ろを歩いてたのに‥‥
今では頼もしく
こうやってリードしてくれる。
いつの間にか
こうやって彼の背中を見ていると
安心するようになった。
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