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満天の空の下
初めはハシャいでウルサいくらいだった弟は、満腹感もあってかそのままぐっすり寝てしまう。
「ごめんね?せっかく久々のデートなのにコブ付きで‥‥」
申し訳無さそうに謝る祥子に、拓真は身体を彼女に向けジッと眺めながら微笑む。
「僕は祥子さんの家族が大好き。
だから嬉しいよ?」
その言葉と可愛い顔で微笑まれると、毎日一緒に過ごしているのに毎回照れて視線を背らしてしまう。
こんな素敵な人が
私の婚約者
‥‥夢みたい
「祥子さん?」
ボーっとしといる祥子に、拓真が心配そうに顔を覗き込んだ。
「僕といる時に‥‥別な事なんて考えないでよ」
祥子の真上から切なげに見下ろし訴える拓真に、胸を高鳴らせる。
「拓真君の事‥‥考えてたの」
祥子の言葉にクシャと表情を緩ませ、甘えるように頬を擦り寄せてきた。
そんな彼が愛おしくて堪らない。
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