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「祥子さん?
いつも僕が甘えてるけど‥‥
祥子さんは僕に甘えたいって思わないの?」
「どうして、そんな事?」
「ん‥‥。振られたらどうしようかって‥‥
『本当は頼れる、甘えられる男がいい』って言われたら‥‥
自由にさせて貰ってるから
結構、不安になったりして‥‥」
普段、こんな事を言う拓真ではないが
今が幸せ過ぎて、裏返しになるのを恐れているのだ。
祥子はフッと笑いながら、拓真の腕を頭の下に動かし抱きしめながら耳元で呟く。
「私、今のまんまの拓真君が好き。
他の人なんて‥‥考えらんない」
「‥‥祥子さん。
へへ‥‥嬉しい」
照れ笑いしながら、祥子の頭とコツンと合わせ
星空に視線を向ける。
「来年の七夕は‥‥
お義父さんやお義母さんも、一緒に天の川‥‥観れたらいいなぁ~‥‥」
「‥‥私達に赤ちゃん出来てたりして‥‥」
「それ、いい♪
‥‥でもまだ、祥子さんを独り占めしたいからなぁ~‥‥」
「ふふ‥‥そうだった。
もう既に、大きな甘えん坊がいたんだ」
結婚が恋愛の終着駅かと思ってたけど、全然そんな事無くて
まだ見えない先の事を
こうやって話す事も楽しくて仕方がない。
大好きな人と
大好きな家族
これから
どんな事があっても
大切な人達を守ると
改めて決意する拓真
ひたすらに愛しい人と
過ごせる喜びを
噛み締める祥子
満天の星空の下
川のせせらぎと
二人の幸せな会話は
まだ続いたのだった。
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