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梓は視線を背らさず
指を絡ませギュッと握り直し、微笑んだ。
「実はあれ、演技だったんだよ?」
「‥‥え?」
瞳を見開き、梓を見詰める。
琉生を捕らえるような視線と微笑みに
背らす事が出来ない。
「琉生‥‥なかなか言ってくれないから‥‥
『ちょっと待って』って
止めてくれるかな?って‥‥
ふふ‥‥自分で行動出来ない、子供だったのよ。
‥‥だけど、琉生は来てくれなくて
肝心な事があやふやになって‥‥
それにまた苛々して‥‥」
視界の隅で
流れた流れ星
照れたように少し瞳を揺らしながら
呟くように続けた。
「どんどん、格好良くなる‥‥。
学校の女子が‥‥
琉生の話題で盛り上がってると
凄く、嫌だった‥‥
『私だけの、琉生なのに』って
嫉妬したの」
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