【回想4】学園祭とクラス展示

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それだけじゃない。最近は見かけなくなったが、例の不運な平凡くんへの態度も一方的な思い込みで酷かったし。……風紀委員長、手を出される前に助け出せて良かったな。 まあ、あの溺愛っぷりだし。平凡くんに何かあれば委員長の報復により今頃会計はこの世にいなかった筈だが。 ともかく、こいつは手当たり次第喰いまくりの、所構わず盛る脳みそと下半身が直結した(としか思えない)節操無しの最低野郎だぞ。見かけと愛想の良さに騙されてたら馬鹿な親衛隊の奴らと一緒じゃねーか。 はぁ、もしかして俺また疲れてんのかな。 「♪」 何が面白いのか笑顔を浮かべ、展示されたパネル写真を見て回る会計。時々ついたての向こうに消えたり現れたりする姿を無視して、俺は小さくため息を吐いた。 頭を切り替えよう。 会計の一人くらいが何だ。 最悪、壁一枚隔てた向こう側にいる転入生とそれに群がる美形ども、及び親衛隊や一般客らにバリケード(教室扉)を破られ教室内に雪崩れ込まれることに比べれば、大して問題じゃない。大丈夫。 転入生の休憩時間もまだ先の筈だし「最悪」な可能性は限りなくゼロに近い。ただし、休憩時間と重なる次の受付当番がどうなるかは知らん。絶対その前に俺は避難するし。 もはや災害扱いと一緒って笑えるわ。 ……もう一度、今度はやや深めのため息を漏らす。 保証は無いし期間限定かもしれない。 それでも今現在ここは『学園祭の熱気や(隣の教室側の)喧噪からは隔絶された空間』だった。 そう考えれば、ついさっき自分が口にした偽りの言葉も的外れではないように思えてくる。 穏やかにゆっくりと過ぎる時間。 目を閉じると何処か遠くから聞こえてくる音楽にフッと肩の力が抜けて……。 「ねぇねぇ、ここの写真って購入出来るんだっけー」 「え? あっ、はい、出来ます。パネル横の番号と購入者の名前・学年とクラスを――」 びっくりした。 人が居るのを一瞬忘れてたわ。 おかしいな。さっきからどうしたんだ俺、本当に疲れが溜まってんのか? 「ねぇ。ちょっと聞きたいこともあるし、こっちに用紙だっけ。それ持って来て貰える~」 「あ、はい。(チッ)」 .
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