【回想5】学園祭と親衛隊

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『生徒会の皆様方だってあんな奴、学園から消した方が絶対喜んでくださるに決まってるし』 『じゃあ今から指定場所にゴツイの呼んじゃおーっと。ふふ、凄い楽しみ! 二度と皆様の……ううん、誰の前にも出られないようにして貰うんだから』 ゾワリ、と激しい嫌悪で鳥肌が立つ。 こいつら……最低を通り越して吐き気がしそうだ。 顔は見えないが楽しそうなその声に、もはや狂っているとしか思えない。 自分とごく一部の人間以外のモノに対する残酷な感情。 (ぐ、気持ち悪りぃ) 昔の俺に向けられた周囲の目や言葉が勝手に重なる。くそ、こっちは思い出したくもねーのに。 「――うん、そうだよ例の場所に。相手は僕らが連れて行くから。じゃあよろしくね?」 近付いてくる話し声にハッとし、急ぎトイレの前を離れた。 すぐ脇の階段の陰に身を隠すとほぼ同時にトイレの扉が開き、スマホを持った生徒が姿を現す。その後ろにも二人。 電話で誰かを例の場所とやらに呼び出していたみたいだが……早速実行するつもりか。無駄に慣れてやがんな。 「ふふ、楽しみだね」 「これでもう皆様を煩わせることはなくなるし」 「学園にも居られないようにしてあげないとね」 見た目だけは少女のように可愛らしい、笑顔の三人に虫酸が走る。 こいつら本当に性根が腐ってんだな。可哀相に。 こんな環境じゃなくてもっと捻じ曲がる暇も無いようなトコで暮らしてたら、少しはましな奴になったかもしんねーのに。 ああ、どっちみち無理か? しかしどうすっかな。 俺に被害が及ばないなら関わるのは遠慮したい。正直、面倒臭い。 だが、個人的には不運な平凡くんを気に入っていたりするわけで。特に最近は風紀委員長とのほのぼのカップルな姿に癒しを感じる程だ。 (※転入生の叫び声を耳にした後だとさらに癒し効果倍増) げ、あいつらこっちに来やがった。 決して目立たぬよう自然に、通りすがりの一般生徒を演じ階段を上がる。 その背後を三人が何も気付かず歩いていく。 ここは不運な平凡くんと、ついでに煩い転入生がいるAクラスより一つ上の階だ。同級生が言ってた通り、あまりにトイレが混み合っていたのでこっちに来たんだが……。 .
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