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――――カラン。
音を立てて、グラスの中の氷が、溶けた。
本宮赤司が、三原凪に差し出したそのグラスの中身は、半分も、減っていない。
暑すぎる程に熱せられた部屋の中は、半袖でも良いくらいの暖かさ。その中で、ウーロン茶の入ったグラスは、汗をかいていた。
「で、どうしたの?」
穏やかな声で、赤司は、凪を窺った。なるべく刺激をしないように。
この部屋に来てからずっと膝を抱えて、小さく蹲るように身を硬くする凪は、ただフルフルと、顔を横に振るだけ。
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