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ったく。
何かあったから、凪はこの部屋を訪れただろうに、その理由を赤司はまだ聞いていない。
まだまだ時間がかかりそうだと、赤司は小さく笑って、凪の頭をポンポンと撫でた。
時間がかかっても良いよ、の意味を込めて。
すると、小さく膝に顔を埋めたまま、
‘ありがと’
と凪が呟いた。
「腹減ったから、何か作ってくるな。」
赤司は、そう言うと、リビングを出た。
夕食を作る時間だけ、一人にしておくことにした。その間に、一人で解決できるかもしれないし、話せるようになるかもしれない。少なくとも、今よりは、何かが動くだろうと、赤司は思う。
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