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缶詰のトマトがあったはず、それにケチャップなんかを混ぜれば、簡単ではあるけれど、食べられるものが出来上がるだろう。茹で上がったパスタの湯を切っていると、部屋から凪が出てくる音が聞こえた。
「イイ匂いがするね。」
少し鼻にかかった声は、さっきまで凪が泣いていたことを物語った。赤司は、それには触れず、
「パスタ、凪も、食うだろ?」
フライパンにベーコンの焦げる香ばしい香がする。
ぐぅ。
赤司の手元を覗きこんだ時、凪のお腹が丁度鳴った。その音に、二人で顔を見合って、ふふっと笑う。
「お腹すいたよ~。」
‘そこの戸棚から皿出して。’という赤司の言葉に従って、凪が、皿やフォークをセッティングする。
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