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「お久しぶりですね。遠藤さん」
偽物の笑顔を振り撒き、ソファに座る男性の横に寄り添う用にそっと座る
「シオンちゃん~会いたかったよ」
だらし無い笑顔を浮かべた男が、当然と言わんばかりに手を握って来る
私が夜の世界に入って、もう5年…
さすがにこんな状況にも慣れた
慣れたとは言え、気持ちがいいものでもないので
グラスを渡し、グラスと私の手を入れ替える
「久しぶりなので、乾杯しましょう」
誰にも見抜けない偽物の笑顔でグラスを傾ける
私の心と裏腹に、グラスの琥珀色した高級な酒が揺れる
しばらくすると、ボーイが耳打ちしてくる
「シオンさん。オーナーがお呼びです」
その言葉に、私はわざとちょっと驚いた様な困った様な表情を作る
そしてつくづく思う
女って恐ろしい生き物だ
こんなにも上手に演技ができるのだから
私は、常連のお客に
「ごめんなさい。ちょっと席外しますね…」
っと申し訳なさそうに…
ちょっと未練がある風に装って席を立つ
(さて、オーナー呼出しとは…。職員室に呼び出される、生徒の気持ちもする)
簡単に言うと
<メンドクセェ!!>
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