プロローグ

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「御門、帰った。お、スイも気が付いたか」 テオはスイの姿を確認すると言った。 後ろからエアルが、キィちゃんも、と付け加える。 「カトライト、何か分かったか?」 そう尋ねるユズに、それだ、と答えて、 「分かったも何も、何でこんなところに来たのかは全く分からん。 だが、人がいることは確実だ」 と説明するテオに、エアルが続いて 「しかし、怯えてるように見えましたね。 私達の姿を見た途端に皆さんは家の中に立てこもってしまいました。 話そうにも、話すことが出来ず……」 二人の説明に、ほぅ、と唸ったユズは心配そうに見上げるキィの頭に手を置く。 「考えられるのは、余所者を徹底的に拒む部族なのか、それか武器に対する抗体がないのかだな。 まぁ心配はいらねぇよ、キィ。私がいるし、スイもいるだろ」 「え、ちょ、ちょっとユズ! なんでスイ君出すの!?」 フフフと悪戯な笑みを浮かべながらスイを小突くユズに、スイはされるがままになる。
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