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六人がいくばくかの道を歩くと、すぐにそれは見えてきた。
テオとエアルが情報収集をしたという街だった。
街──…というには、少し小さいようにも思えた。
レンガ造りの家並みが六人を迎える。
地面は舗装などされていないのか、剥き出しの地面は所々陥没したり、抉れている。
見たこともない風景に、この場に訪れなかった四人は眉を潜めた。
「なんか──…ここ嫌」
キィが心細げにそう呟き、ぎゅっとユズの服の端を握りしめる。
大丈夫だ、と優しく微笑むユズの笑顔は見るものを安心させた。
ただ一人、スイは罪悪感に悩ませられたが。
視線を辺りに一周させて、ユズは首をかしげる。
「カトライト。本当に住民は外にでていたのか?」
ユズが困惑するのも無理なかった。
ひとっこ一人いない、とはこの事を言うんだと思う。
右をみても、左をみても家々が建ち並んでいるだけで、人影すら見えない。
ただ、ユズは断定した。
人がいるということを。
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