プロローグ

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それを見て反応したのはアスカだった。 「拙者が斬ろう。……キィ殿、斬ってよろしいか?」 アスカはスイの一歩後ろで本を見ていたキィに問う。 「うん、スイ君も見たいって言ってるし、私も見たいな」 「御意。では失礼して」 そう言ったアスカは腰に帯刀している日本刀、闇ノ影胤に手を添える。 スラリと抜いたそれの刀身は黒く光を反射しており、手入れが行き届いているのが素人目にも分かるほどだ。 スゥっと流れるような動きで構えに入る姿にテオは思わず、ほぉ、と唸る。 そして、瞬速で音もなく振り抜かれた日本刀は丁度鍵の部分だけを両断し、縛っていた鎖は呆気なく外れた。 ───by 雷電
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