第五章 陸に行き着く萌える月◇03◇

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「おせーぞ。早くしろボケ!」 「だからスタンプの使い方が違ってるんだよ……」 朝の着信でもそうだったけど、陸のライン、いっつも命令口調の語尾にボケだのバカだのハゲだのついてくるくせに、その後、送信されてくるスタンプは必ず盛大な”ちゅー”だ。 あたしはスタンプの使い方が間違ってること、陸に教えてあげないことにしてる。 あたしも陸に、盛大な”ちゅー”スタンプだけを返信すると、駅に向かって走り出した。 一生懸命走り出した。 真由、華乃、雅に佐伯、それから夏林。 そしてそして大好きな陸。 一緒に今この時を、精一杯走れることがすごく嬉しいよ。 だからあたしは今、全力で走るの。 青春は、明日、終わってしまうかもしれない。 Fin.
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