第2話

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「なっ?」 思わず、小さく驚きの声をあげてしまった そこには龍神社員が一人で座っていた 全てを見透かす様な鋭い眼差しが苦手だが、気持ちを切り替え笑顔を浮かべる 「先日は、お世話になりました」 当たり障りのない挨拶をした その瞬間、ふっと今日の星座占い最下位だったのを思い出した 「今日はお一人ですか?」 水割りを作りながら尋ねる 「そうだね…今日は、プライベートで君会いたくてね…」 ニッコリっと微笑む龍神社員… 喋り方が打ち上げの際と違うのもプライベートということなのか… ただ、何と無くその微笑みが天使の微笑みを浮かべる悪魔の様な気がして、一瞬寒気がした (ダメダメ。プロとして苦手意識持たずに接客しなきゃ…) 萎えかけた自分の心を奮い立たせる 「お上手ですね」 (笑顔笑顔…負けるな) 何故か、1対1でも勝負をしている気がしてきた 自分の素を見せたら負けな気がする 「どんな事したら、心から笑ってくれる?」 龍神社員の一言に固まる そうか、これは私が心から笑うまでの勝負なのかっと… 残念なことに、私が心から笑うことはないはずだ… 長期戦の予感がした
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