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「ええい………ちょこまかと!」
男は苛立ちを見せながらも引き金を引き続ける。しかしその射撃は正確で、徐々にカナンも身体を大きく動かして避ける必要が出てきた。
撃ち避け、撃ち避けを繰り返す。その内カナンは疑問に思った。男は撃つばかりで、弾の装填は一切行わなかった。大きさは普通の銃と変わらず、そう何十発も弾を詰めることは出来そうにない。なら何故?そう思っていると、男が口を開いた。
「今、どうしてこう何発も撃ち続けることが出来るのか、疑問に思っているだろう?」
彼の発言は、見事にカナンの疑問を射抜くものだった。
「この銃に使用される銃弾は実弾ではなく、魔力によって生成された魔弾だ。この魔弾は私の魔力が尽きるまで生成可能な上、対吸血鬼用として触れた部位の治癒能力を無効にする力を持っている。」
カナンは何も話さない。
そんなことはお構い無しに、男は勝ち誇った顔で言った。
「つまり、貴様が死ぬのは時間の問題!!大人しく朽ちるがいい!!」
気でも狂ったかのように、男は大きく笑う。綺麗で美形とも言えた顔は狂気の笑みで崩れている。
そんな時。彼が自ら晒した情報を整理し、カナンは解決策を考えた。その結果は、実に単純なものだった。
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