壊れた日

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今から何年前になるだろう。 私(わたし)は幼い頃、ある森の中にいた。その日の雲は黒く、雨が延々と降り続いていた。 そんな止みそうにない雨を、私は木の下でずっと眺めていた。 木の前には獣道が一本通っており、道に迷って動けないということではなかった。人の足跡があるからこの先に街か村があるのかもしれない。 だが行ってどうする? こんなボロボロの革服を一枚着たような見窄らしい者に誰が声を掛ける?誰が助ける? 行ったところで意味はない。無駄足になるだけ。 そんな風に思いながらどれだけこの森に居続けたことだろう。森も嫌になったんじゃないだろうか。 でもここから出てどうしよう。行く宛も、どうやって生きていくのかも、まだ分かっていなかった。 そんな時だった 御爺様(おじいさま)と出会ったのは―――――
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