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未だ降り続く雨の中、傘を差した1人の人間が私に手を差し伸ばした。傘の中に見える顔には皺(しわ)が寄っており、年老いた者だということが分かった。
老人の名は《ダンク・ライニール》。生物学について研究をしている学者だった。
彼に伸ばされた手を私はじっと見つめていた。その後ゆっくり顔を上げ、老人と目を合わせる。
そして老人は一言
―――――来るかい?――――
そう言った。
―――――…………え?――――
ついそんな間の抜けた声が出てしまった。だがそれ程までに、私はこの老人の言った事が理解出来なかったのだ。
―――――来る?誰が?私?私はこの人について行くの?どうして?何故?―――――
―――――生きる為?私は生きたいの?ここから出たいの?生きる為に?この人と居れば生きることが出来るの?死なずに済むの?―――――
思考を巡らせた末、私は………
―――――彼の手を、握っていた
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