壊れた日

6/7
前へ
/18ページ
次へ
只1つ、はっきりと理解したことがある。 ―――――今後も研究を続けていく必要がある。――――― 御爺様がこのノートへ最後に書いた言葉だった。 私でも分かった、まだ御爺様はこの研究を完遂しきっていない。 その時、私は思った。 ―――――この研究を終わらせよう――――― どんな研究か分からない。私も御爺様のように死んでしまうかもしれない。でも、それでも………… 私は、このノートに彼の面影を感じた。まだ研究は終わっていない、全てを調べ上げ謎を明かしこの研究を終わらせたい。 そう私に訴えかけているようだった。 私はすぐに身支度を始めた。 黒を中心にした服とスカート。それに対になる白いフード。お気に入りの物に着替えた。 嘗て御爺様が使った長刀。東方から伝わったとされる武器で、切れ味は抜群。日頃から手入れした甲斐があり、すぐにでも使える状態にあった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加