壊れた日

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支度を終え、後は家と村を出るだけになった。 玄関のドアノブに手を近づけた。微かに手が震えている。 まだ怖がっていた。 だけど、そうもしていられない。 見つかるかも知れない。研究の答えが。もしかすると自分の記憶が。 御爺様から聞いたことがあった。お前は記憶喪失だ、と。 ―――――私は知りたい。御爺様が何を求めていたのか。自分が失ったものが――――― 2つの思いに後押しされ、私はドアを開いた―――――
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