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ガブリエルの制止を振り払おうとする俺
するとガブリエルは「分かりました!」と、また何処からともなくあるものを出して、俺に手渡してきた
「姉さんには私から言っておきますから、これを持っていって下さい」
「これを? これって……」
手渡されたのは、一言で言えば日本刀
それもごくごく普通の、柄も鍔も鞘も漆黒の闇の様に真っ黒な日本刀だった。 かなり手入れもされているらしく、鞘に自分の顔が映るくらいピカピカだ
「それは無名(むみょう)。 名が無いと書いて無名です」
「名前がないのか?」
「えぇ。 名前を必要としませんから」
「名前を……必要としない?」
「理由は向こうで使えば直ぐに分かりますよ? それまでお楽しみという事で」
教えてくれたって良いと思うが、お楽しみと言うんだから……まっ、いっか。 使えば直ぐに分かるらしいしな
「ありがとうな。 でもどうしたんだこれ?」
「実は私、下界のアニメやゲームを知ってから自分で考えた最強の武器を作るのにハマってまして……それはその内の一振りです」
「お前らホント下界のアニメとかに毒されてね?神様なのに」
「お恥ずかしながら……エヘヘ」
「エヘヘて……」
今時の神様は、何を考えているんだかな~
「ガブリエル~、そっちの準備は整いました? こっちは終わりましたよ?」
ガヴリエルが準備が整ったらしく戻ってきた
「すいません。 まだ説明していた所で、準備は整っていません」
「何やってんですか全く……あれ? ガブリエル、あんたまさかそれを薫さんに持たせる気じゃあねーですよね?」
俺が無名を持っているのに気付いたガヴリエルがジト目でガブリエルを見ると、ガブリエルは頷いた
「流石に丸腰はいけませんからね。 姉さんだって、ゲームでもいきなり何も装備しない訳じゃないでしょう?」
「そりゃそうですけど、別に構わないですって。 肉盾なんですから必要な……」
「姉さん」
「むぅ~、まぁあんたがそこまで言うなら構いませんけど……」
「ありがとうございます。 良かったですね、薫さん」
「ゲームで例えるのはどうかと思ったけどな……」
「それが一番解りやすいんですよ、私達は」
「そうかい……」
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