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「ハァ~……まさか、こんな事も分からないトンチキだったとは……。 ちょいと人選ミスしちゃいましたかねぇ~」
額に手を当ててやれやれと首を振る……えっと、確かガヴリエルと名乗った方の少女
うん、取り敢えずこいつスゲェ腹立つ。 まさかの初対面でトンチキ発言って……
「誰がトンチキだ、この野郎」
「あんたに決まってんじゃあねーですか。 んな事も分からないんです?」
「いくらなんでも、子供でも怒るぞコラ」
「ほぉう? やりますか?」
「ちょっ!? ストップ! ストップです姉さん! 喧嘩するより、この人に今の状況を教えてあげるのが先でしょう!?」
鼻先がくっ付くくらいに顔を近付け睨み合う俺達を、ガブリエルが止めに入る
そうだ、今はこいつと喧嘩してる場合じゃあねぇんだ
「チッ……まぁ、私もあまり暇じゃあありませんし、仕方ありませんね。 それで、えっと……貴方名前はなんて言うんです? 名乗っちゃあくれませんかね?」
「あぁ? 俺? 立花。 立花薫って言うんだよ」
「薫さんですね? それじゃあ、今から貴方の今の状況を教えますね」
ガブリエルは「ちょっと待っていて下さい」と言うと、何処からともなくデカいホワイトボードを引っ張って来て、何やら書き始めた
いやちょっと待て。 どっから持ってきたそれ?
「えっと、先ず薫さん」
「何だよ?」
「貴方にはいきなりですが、ある事実を信じて貰わなくてはいけません
それは、貴方は既に亡くなっているという事です」
「あ、やっぱり?」
ガブリエルの説明がホントなら、やっぱり此処は天国って事か
「はい。 あ、因みに此処は天国とはちょっと違いますから、そこはご了承願いますね?」
「えっ? 違うのか?」
「此処は天界っつー、沢山の神様が住む世界って奴ですよ。 ギリシャ神話を題材にした映画とかで、よく見るでしょう?」
「はぁ? 何で俺死んだのに、天国じゃなくて天界に来てんだ?」
「えっと……それには海溝より深く、山脈より高い理由があると言いますか……」
「理由?」
わざわざ天国じゃなくて、神様が住む天界に喚ばれる理由……一体何だ?
「取り敢えず、先ずはこれを見て欲しいんですが」
首を傾げる俺を余所に、今度はガヴリエルが何処からともなく、ガヴリエルが隠れるくらいにデカいテレビを運んできた
ホントにどっからそんなバカデカいテレビを、しかもそんな細腕で持って来れるんだよ……つーかテレビあんのな?
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