序章

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「さて薫さん。 貴方にはこれから私監修の回想VTRって奴を見て貰いてぇんですが」 「おう。 そっちの方が分かりやすくて良いが、わざわざVTRにしたのか?」 「そうですよ? だから心して、私に絶大な感謝をしながら見るように」 「見る気無くしたんだけどよぉ……」 「ホントにすいません……姉さん」 「はいはい。 それじゃあVTRスタート」 ガヴリエルはリモコンをテレビに向けてスイッチを入れると、テレビの画面に映像が映った 「えっと、あれは確か一億と……」 「そういうボケ良いからさっさと回想VTR見せろ」 「全く、ノリが悪いんですから……。 あれは30分程前の話です。 私とガブリエルは、何時もの様にゲームしてました」 「ちょっと待てぇぇぇぇいっ!」 「何ですか? 今度は真面目に話してるって言うのにうるせー人ですね?」 「いやもうさ、此処まできたらツッコミたくもなるわ! 何だよゲームって!? 何であんの!? どっから電気引っ張ってんの!?」 「あぁ、そりゃガブリエルに下界までわざわざ買いに行かせましたもん。 因みに電気は下界の家から引っ張ってます」 「下界までわざわざ!? しかも電気泥棒してんのか!」 「あぁもう! いちいち細けー事にツッコミ入れんじゃねーってんですよ。 話が進まねぇでしょうが」 「細かくねぇよ犯罪だろうが常識的に考えても」 「喧しいってんですって。 まぁ、それでゲームしてたんですがね? ガブリエルの奴酷いったらねーんですよ!? ほら、レースゲームとかしてたらカーブの時に身体を傾ける奴居るでしょう? ガブリエルはそれが極端で、私の視界を遮っちまうんですよ? 酷くありません!?」 「姉さん、それは謝ったじゃないですか~」 「謝って済むと思ってんですかあんた!? 結局あんた一位で私はコースアウトで最下位ですよ!? ふざけんじゃあねーってんですよ!」 「だからごめんなさいって言ったじゃないですか! 何時まで根に持つ気ですか!」 「何時までも持つに決まってんじゃねーですか! 大体ですねぇ!」 「おい!真面目に話してるって言っといて、何自分から脱線させてんだお前ら!?」 もう放っておいたら延々と喧嘩しそうだと思った俺は、急いで軌道修正に掛かる ホントに何なんだよこの双子は……
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