序章

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「あぁっと、そうでしたそうでした。 まぁゲームの勝敗とか置いといて、ゲームしてたらですね? いきなり仕事の上司のミカエルさんがやってきたんですよ」 ガヴリエルが何時の間に出したのか知らんが、手に持った教鞭をテレビに向けると、白い長い髪を持つ女性が映る しっかし、ガヴリエルの嫌そうな顔からも分かるが、すっげぇ嫌いなんだな? そのミカエルって奴。 だって映像のミカエルの額に達筆の『肉』って字を合成してんだもん……思い切り吹いたわ 「ところで、このミカエルってのが仕事の上司って言ったか? ならお前ら、なんか仕事してるって事か?」 「はい。 薫さんに質問ですが、パラレルワールドという物を知っていますか?」 「あぁ? パラレルワールド? アニメとかそういうのに出てくる?」 「そうです。 簡単に言えば平行世界です。 でも実際にあるんですよ? それも無限に」 「無限に……?」 「例えば、薫さんそのものが存在しない世界。 薫さんの性別が女の子の世界。 薫さんが自殺しない世界等々、細かくすればそれはもう無限に、平行世界が存在しているのです。 そして私達の仕事と言うのは、その全ての平行世界を『観測』し、歪みが有れば『調律』する事なのです」 「観測……調律?」 「噛み砕いて言えば、平行世界全てを見張って、何処かの世界に歪みが有れば叩き直すってイメージですかねぇ」 つまりこいつらは、パラレルワールドの修理屋的存在なのか…… 「なら、歪みを直さなかったら? 一体どうなんだよ?」 「パラレルワールドってのは、大なり小なり全ての平行世界と繋がってんですよ。 何処かの世界が歪みが原因で消滅すると、繋がりの強い世界はその道連れの様に崩壊していき、繋がりが小さい世界は未曾有の大災害に見回れたりと、大変な事になっちまうんですよね、これが」 やれやれとジェスチャーするガヴリエル 正直、話を聞いててゾッとしたぜ。 なら、今まで起こってきた大災害とかは、何処かの世界が消滅して起きた事だったんだな 「さて、話を戻してこのクソッタレなミカエル先輩ですが……」 「ボロクソに言うなぁ?お前」 「だって真面目だし堅いし冗談通じないしウザいし鬱陶しいしぃ~」 「ホントに嫌いなのな……」
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