滅びた世界で…

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8月… あれは急にやって来た。 空に赤く光る星のようなもの。それは日に日に大きくなり、地表に落ちた。 その影響は地球上の空気を一瞬奪い、昆虫類を含む知的外生命体は全て死滅し、花粉を運ぶものがいなくなった草木は次第に枯れ朽ち果て… それを食べる動物もいなり荒廃していく。 人類とて例外ではない。 現在の人口は全世界で1000万人に激減していた。 「お腹…空いたな…」 辺りを見回しても何もない。 あるのは、倒壊したビルや汚染され濁りきった川があるのみで、人が口にして無事でいられるものは近くにない。 もはや、この星も人類もお終いだ。 自覚できるものがそれだけしかない。 今私がこの星に出来ることは、朽ち果てていくこの世界の終わりを見届ける事。 そのためだけに生きる…私は生きる。 そう思っていた… 「ここはどこだろう…東京?…それとも大阪?」 荒れ果てた大地。 もはやどこを歩いても同じ風景の中、黒崎玲奈は途方もなく彷徨っていた。 あれから三ヶ月…等々非常食も尽き、食べるものを無くした玲奈は、廃虚ビルの破片の山に座り込み最後の時を過ごさなくてはならなくなった。
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