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そうは言ったが、実を言うと味覚は付けられるのだが、食べた物をどう処理するか分からない。
残念な事に、今の1号に、食べた物を溜めておくスペースが無い。
食べたらすぐに出す方法もあるが、一々掃除をしなくてはならない。
それは私と言えどめんどくさい。
なら何故1号にそう言わなかったか、それは私が勝ち気だからと答えておこう。
そのまま、1号は私の右後ろで立ち、私はソファーに座りながら暖炉で温まり、珈琲を啜るのが繰り返された。
それを繰り返していると、昨日の話を思い出す。
そう言えば1号の幸せ探しとやらだったか、と。
今の考えると何故そんな事を提案したのか自分が疑問だが、あの1号の嬉しそうな声を聞くと妙に胸が痛む。
私だって人間だ、いくら感情が無いと言っても言われても、少なからず感情がある。
私はしばらく考え、何があったかと思考を巡らした。
結果、今日は国王とやらのスピーチがあった筈だ。
私が毎朝行く高台からなら確か国王のスピーチが聞けた筈だ。
厳密に言うと、一週間前までは王子だった人間だが。
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