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高台に着くと、風と共に、国王のスピーチが聞こえてきた。
《僕はぐん…ぐんび…?》
《あってます。》
《ぐ、軍備の強化を計画している!だから国民共は僕に金をよこせ!いいか!?これはお願いじゃない!命令だ!!》
国王の馬鹿らしいスピーチと、国民達の不安のどよめきとブーイングが聞こえてくる。
《文句を言うな!僕にかかればお前等なんて簡単に殺せるんだぞ!!》
そう国王が怒鳴った瞬間、国民達のブーイングとどよめきがおさまった。
双眼鏡を覗くと、国民の一人が国王のスピーチするステージに連れてこられ、兵士の一人がその国民に銃を向けていた。
「1号、あれが今の国王よ。」
「…。」
1号は馬鹿な国王に呆れたか、見事な無反応を見せた。
前回の国王のスピーチは、現国王の父で、言う事も理に敵っていて、国民からの支持もあった。
だが、今の国王は国民の反響を起こす様な馬鹿な事を言っている。
流石に1号も初めて聞いた現国王のスピーチには開いた口が塞がらない状態の様だ。
「1号、前に国民の大事な物は国王と言っていたけど、これで分かったでしょ。」
「いえ。国王が居なかったら国はなり立ちません。」
「そう…ならあなたにこれだけ言っておくわ。」
「はい。」
「私のいってる意味が分からない様じゃ幸せなんて到底巡り会えないわ。」
「はい。」
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