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それらをパンと一緒に食べる。
食べ終わると1号が食器を片し、そして次にやることを聞いてくる。
どこで芽生えたか、1号には私に絶対服従をするという義務感が生まれたようだ。
「1号。」
「何でしょうか。」
「あなたにとって幸せって何。」
「分かりません。」
私は幸せすら見つけさせてあげられないほど1号を窮屈にしてたのかと実感する。
「そう…今度からあなたに幸せが見つけられる様に努力してみるわ。」
「どりょく。」
1号は初めて聞いた言葉に首を傾げていた。
それを見て私は思う。
いくら暇潰しとは言え、造り出したのは私だ。
しかも知性だってある。
これは最早、"物"ではなく、"者"なのだ。
それを、玩具にするのならばそれは外道のする事だ。
三年の月日がたった今、私にも義務感が芽生えはじめていた。
◇「三年後の化学式」◇
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