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ホテルのように彩り豊かな絨毯。
中世の貴族が住むような城そっくりのおしゃれな装飾。
しかしここは人が安らぐ場所でも、ドレスを着て踊るところでもない。
学生たちが机に向かい、勉学に励む学び舎、学校である。
その柔らかな廊下を歩いている二人の少年は、ここ“桜田学園”の生徒。
高校生の平均身長を満たしているのか疑わしい白髪の少年は、手に握る一枚の紙を睨み付けていた。
紙には“成績通知”と書いてある。
どうやら成績表のようだ。
桜田学園は幼稚園から大学まで、進級試験さえ合格すれば進級できる進学校。
今白髪の彼が持っているのは、高校に進級するための試験の結果だ。
総合順位二位、という文字に対して不満そうな声をあげた。
「……一位、誰」
小さく呟いたその声に、隣を歩いていた金髪の青年が「んー?」と聞き返す。
制服は着崩され、ベルトについたアクセサリーが音をたてて揺れている。
白髪の少年の成績表を覗きこんだ金髪の青年は、びっくりして目を見開く。
二人で目を見合わせて黙りこんだ。
いくつか部屋を通りすぎてから、まだ驚きを隠せないと言いたげな表情で金髪がやっと声を出す。
「めずらしいねえ」
白髪は不機嫌そうに手前の大きな扉を開いた。
金髪も続いてその部屋に入っていく。
扉の横にあるプレートには、金色で“生徒会室”と書いてあった。
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