第一話

22/73
前へ
/938ページ
次へ
「一年生、年下かぁ……」 あの子はもう由良君に会ったのかなぁ、きっと二人が一緒にいるとすごくかわいいんだろなぁ。 思わず頬がゆるむ。 これから楽しみだなぁ、なんて呟いて食堂を出ていく俺は、彼が引きこもろうとしていることなんて知る由もなかった。 ‐‐‐‐‐‐ 「お前、宗野 由良やな?」 赤というかピンクというか、どっちかってーと紅色っぽい髪の人が話しかけてきた。 しかも関西弁です…… 「はい、まぁ。あの……」 まだ入学式も授業も終わってない時間なんですけどもwwww なんでこんなに人に会うんだよっていうねwwww 「入学式ならさっき終わったで。外部生のやつ全部とばしたから予定より早よ終わってん」 「あ、なるほど」 そういうことか……。 紅髪の人が前髪を上に上げてピンでとめる。 「そんでな、お前入学式サボったやん? 入試は一応九十人くらい受けた中のトップやってんから、これからの授業サボるつもりやろ?」 「きゅっ!?」 九十人も受けてたの!? ならなぜ受かったやつらは来ないんだよ!! てかサボることばれてる!
/938ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10087人が本棚に入れています
本棚に追加