第一話

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「でも、中間終わったら出席する覚悟でおりや。西島が授業受けて真面目に勉強するらしいからな」 え……? 冷や汗がダラダラときてる感じが……てかなんかこの人すげー色っぽい。前髪あげてさらに引き立つ色気! 「……あ、あのー、西島さんて?」 ひひひ、と笑った紅髪さんは小さく頷いた 「そうかそうか、入学式来てんかったんやから知らんわな。西島は生徒会書記で、これまで俺らの学年の万年主席っつー恐ろしいやつや」 万 年 主 席 ! すっげえな……授業受けずにその人に勝つのは確かに大変そう……。 というかさっきこの人“俺らの学年”って言いませんでした? 「同じ学年なんですか?」 素朴な質問を紅髪さんにふる。 ひひっと紅髪さんが笑った。あんたチェシャ猫になれんじゃね? 「そういや自己紹介してんかったな。俺は新井 夢帝(あらい むた)、風紀委員の副委員長でお前と同じ一年、よろしくな!」 一年でこの色気かー…… なんか負けた感じ。 出された手と握手したらムタさんが扉の前から退く。 「まあ、テストがんばりや。ほなねー」 手を振りながらエレベーターに向かうムタさん。 手、そんなに震えなくてよかった……。
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