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「でも、中間終わったら出席する覚悟でおりや。西島が授業受けて真面目に勉強するらしいからな」
え……?
冷や汗がダラダラときてる感じが……てかなんかこの人すげー色っぽい。前髪あげてさらに引き立つ色気!
「……あ、あのー、西島さんて?」
ひひひ、と笑った紅髪さんは小さく頷いた
「そうかそうか、入学式来てんかったんやから知らんわな。西島は生徒会書記で、これまで俺らの学年の万年主席っつー恐ろしいやつや」
万 年 主 席 !
すっげえな……授業受けずにその人に勝つのは確かに大変そう……。
というかさっきこの人“俺らの学年”って言いませんでした?
「同じ学年なんですか?」
素朴な質問を紅髪さんにふる。
ひひっと紅髪さんが笑った。あんたチェシャ猫になれんじゃね?
「そういや自己紹介してんかったな。俺は新井 夢帝(あらい むた)、風紀委員の副委員長でお前と同じ一年、よろしくな!」
一年でこの色気かー……
なんか負けた感じ。
出された手と握手したらムタさんが扉の前から退く。
「まあ、テストがんばりや。ほなねー」
手を振りながらエレベーターに向かうムタさん。
手、そんなに震えなくてよかった……。
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