第2話

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「実はですね。お宅のタケル君が……へっ?タケル君はいい子だった?……そうですね。ですが、いい子でも事故はしますから……」 警官役は俺よりもかなり前からこの仕事をしている。だから、俺よりも客に対する態度には磨きがかかってる。 そんなヤツが困惑した表情で対応している。それが可笑しくて吹き出しそうだ。 それが急に真顔になる。 「……そうですね。タケル君が天国に行くのにお金が足りないんです」 何を思ったのか、マニュアルにない事を言い出した。 「そう、そうなんです。ですから、今からお伝えする口座に……」 警官役は弁護士役のチーフを素通りして、振込先を伝えると電話を切りニヤリと笑う。
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