あたしを縛る甘い鎖

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さて、と響は言って立ち上がる。 「ごはんにしようか。お腹空いたろう?」 とにっこり笑って、響は明里を抱き上げて食卓に連れて行く。 お姫様抱っこなんて初めてで恥ずかしくて、バタバタと暴れる明里に響は、 「大人しくしないとこのままキスするよ?」 にこやかに、ドスの利いた声で言った。 明里はピタリと動きを止める。 それに響がクスクスと笑って、目を細めると膝裏に通した手でつぅーっと太ももを撫でた。 「アニの脚はキレイだね」 「……………っ!」 その、肌に直に触れた感触に明里はびくりと震え、俯き自分の姿を見る。 自分の今の姿を、今の今まで気にしていなかったけれど。 その姿に明里の思考は一瞬止まった。
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