あたしを縛る甘い鎖

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知らない大きめのシャツに、下肢は下着以外……何も身につけていない。 あきらかにそれは、明里がもともと着ていた物ではなかった。 自分はあの日濡れねずみだったのだから仕方ない。 仕方ないのだけれど、ここには響しか居ない。 なら、誰が着替えを……? 「ひっ……………きゃああぁぁぁ!!」 突然叫び声を上げた明里に、彼女を椅子へと下ろした響は驚き眉根を寄せる。 明里は顔を真っ赤に染めて、自身を抱くように椅子の上で身体を丸めた。 それを見て、響はピンと眉を跳ねさせた。 「ああ。そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫だよ。着替えさせたのは、僕じゃない。 知り合いの女性に頼んだんだよ。着替えも用意してもらったから、お風呂後で行っておいで」 そう言って響は明里の頭を何度も撫でた。
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