あたしを縛る甘い鎖

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着替えと渡された紙袋の中から、明里は下着とシンプルな淡いピンクのワンピースを出した。 (かわいい……キレイなワンピース) 明里は少し嬉しくなって、シャワーを借りた。 ピンクのワンピースを着て出てきた明里は、フラフラと家の中を散策してみることにした。 明里が最初に寝かされていた場所は、リビングだった。 ソファベッドを倒し布団を敷いていたらしい。 そこは、カウンターキッチンとそのまま繋がった広い空間だった。 そこでアモロッソはガウガウ言いながら、何かに戯れ付いて遊んでいる。 あまりに無邪気な姿が可愛くて、ふと明里は眦(まなじり)を落とした。 大きな窓から入る光に誘われて、レースカーテンの隙間から外を見た。 「何コレ…………すっごぉ……」 その景色に、明里は言葉を失う。 そこからは街が一望できた。 その向こうにある山まで見える。 夜見たら、夜景が綺麗なのだろう。 「ここ、何階なの?」 そんな素朴な疑問を口にして、あまりの高さに明里は武者震いをする。
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