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手を叩かれて、ツナマヨを横取りされる。
「…遠慮したりなぁ、譲る事も多少は覚えろよ」
な、なんだコイツ?!
私はまたしても、目ん玉が飛び出す勢いで驚いた。
「あんたが言うな、あんたが!」
「うるせぇな、黙れ」
「ムカツクなぁ~!」
「…いいのかぁ、そんな事を俺に言って」
うむむ…。
安い家賃で、住まわしてもらってるから逆らえない。
「ごめんなさーい」
「よろしい」
ガハァ!マジにムカツク!
永田はカップ麺の湯を入れて戻って来た。
「ほらよ。わざわざこの俺が、おまえのために湯を入れてきてやったんだ。今回の事と言い、次は仮を返せよ…」
だからぁ、なんでそんなにひねくれた言い方するんだっての。
「はいはい」
「俺に、二度返事か…」
「いえ、どうも誠に感謝しております」
なんで、この私が。
永田デビルは、私の前にわざと座った。
そして、ジーッと…ジーーーッと。
「な、何?」
私の食べてる口元を見つめている。
「いいや」
「見られてると食べづらいよ…」
「とか言いながら食べるんだろ、おまえは」
そら、食べるわ!
「…カップ麺、うまそうに食うけど、好きなのか?」
「好きだよ、逆に嫌いな人いるの?」
「なんで、好き?」
あ…、頭を傾げた。
今の仕草、何気に好きかも。
「時間かからないし、面倒臭い時に便利だから」
あっさり答えると、
「面倒臭いだと?」
永田は真剣にキレた目を私に向けた。
ヒャッ…怖いってば。
ズルズルズルーッ…
「呆れたもんだ…」
と、私に手を伸ばしてきたから怖くて避ける。
「そら、離婚して当然かもな…」
永田は呟いて、私の口元に付いたラーメンの食べカスを、ペロリと食べた。
「あ、ありがと…」
冷たい言葉を言われながら、優しくされると…戸惑うじゃん…。
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