step4 おまえ次第

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手を叩かれて、ツナマヨを横取りされる。 「…遠慮したりなぁ、譲る事も多少は覚えろよ」 な、なんだコイツ?! 私はまたしても、目ん玉が飛び出す勢いで驚いた。 「あんたが言うな、あんたが!」 「うるせぇな、黙れ」 「ムカツクなぁ~!」 「…いいのかぁ、そんな事を俺に言って」 うむむ…。 安い家賃で、住まわしてもらってるから逆らえない。 「ごめんなさーい」 「よろしい」 ガハァ!マジにムカツク! 永田はカップ麺の湯を入れて戻って来た。 「ほらよ。わざわざこの俺が、おまえのために湯を入れてきてやったんだ。今回の事と言い、次は仮を返せよ…」 だからぁ、なんでそんなにひねくれた言い方するんだっての。 「はいはい」 「俺に、二度返事か…」 「いえ、どうも誠に感謝しております」 なんで、この私が。 永田デビルは、私の前にわざと座った。 そして、ジーッと…ジーーーッと。 「な、何?」 私の食べてる口元を見つめている。 「いいや」 「見られてると食べづらいよ…」 「とか言いながら食べるんだろ、おまえは」 そら、食べるわ! 「…カップ麺、うまそうに食うけど、好きなのか?」 「好きだよ、逆に嫌いな人いるの?」 「なんで、好き?」 あ…、頭を傾げた。 今の仕草、何気に好きかも。 「時間かからないし、面倒臭い時に便利だから」 あっさり答えると、 「面倒臭いだと?」 永田は真剣にキレた目を私に向けた。 ヒャッ…怖いってば。 ズルズルズルーッ… 「呆れたもんだ…」 と、私に手を伸ばしてきたから怖くて避ける。 「そら、離婚して当然かもな…」 永田は呟いて、私の口元に付いたラーメンの食べカスを、ペロリと食べた。 「あ、ありがと…」 冷たい言葉を言われながら、優しくされると…戸惑うじゃん…。
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