step4 おまえ次第

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「お喋りでうるさいけど、おまえの口って小さいよな…」 「やらしいな…」 「…まぁまぁだな」 ブッ!…思わず吹き出した。 誉めてくれるのかと思ったら、蹴落とされた。 永田は相変わらず難癖を付けながら、私の事を見つめていた。 「なぁ、俺見て食べてよ…」 意味分かんないし。 「変態」 と、言いつつ、チラリと永田を見る。 絶対、コイツの顔ってエロだよエロ! そんな顔しながら見ないで! 恥ずかしさ限界! 「トシコの口唇、可愛い」 へっ? 私はまたまた驚いて、箸を落とした。 更には、その驚いた口唇を不意討ちで… チュッ… キスされた。 「嘘だ、バーカ」 ニヤリと笑う永田に。 くやしーーーっ!! 一瞬でも可愛いと言われて、ドキッとしたの返してよ。 「バカバカ!」 最悪だーーーっ!! 頭を抱えて、もがいた。 タバコを吸うために、ライターに火を付けて、永田は言った。 「おまえどうよ、今の生活」 「どうって、あんたに話す必要ない」 「オンボロアパートの貧乏生活」 「何も言えない…」 口元にタバコを加えて、また目を凝らして私を永田は見る。 「食繋ぎで、元旦那にすがってんじゃねぇの?離婚した相手に、よくもまぁ会えるもんだね。気が知れんなぁ」 「関係ないでしょ」 はじまったよ、またコイツの喧嘩売ってくるような毒舌。 吸った煙を静かに吹いて、流し目をして私を睨み付けた。 「俺、あのオンボロアパート壊して、貸し駐車場にしようと思ってんだ」 「嘘でしょ?」 じゃあ、私はどっちにしろ追い出されるの? 話が違うじゃないか。 だったら、私はバカみたい。 自分の首を締める事になるって言われて条件通り、コイツに逆らわないで素直に言う事を聞いてきてさ。 「マジだけど、どうする?おまえ」 「こ、困るよ。取り止めてよ」 私は永田の布団にくるまる。 「そこでだ」 ヤバイよ、コイツ。 また閃いたって顔してる。
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