step4 おまえ次第

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…って、平気? この私が、ポリシーを否定されても平気でいられるって、どういう事よ。 昨晩の、元旦那の言葉を私は思い出した。 「逆らって、世の中に反発ばかりしている」 そんな私が、永田には一切逆らえない。 言う通りにしてしまう。 「何だ、俺の顔見つめて。キモイ女」 と、視線をはずされた。 ムカつくんだけど、コイツの口調に慣れてきているせいか、それともコイツだから聞き流せるのか。 気に触らない。 それどころか、何だか分からないけど、出来ることなら…。 「選択しても、結果はおまえ次第。だから俺を少しでも恨んだら、ブッ飛ばす」 遠い目をして永田はボソッと言った。 女の子に向かって、ブッ飛ばすだって。 どこまでも最低、最悪、非道な鬼畜野郎だ。 私はギュッと布団を握り締めて、永田の背中を見つめた。 私と一緒に住みたいのは、あんたなんでしょ? そうじゃなきゃ、普通そんな言葉は言わないよ? やっぱり変態だ。 「…話は終わりだ、部屋から出てけ。布団におまえの臭いがつくと、キモチ悪くてしょうがねぇ」 なんて人っ!! でも、部屋を出る時、一先ずお礼を言った。 「永田、あのさ、昨夜はありがとう。永田のキスで私決めたわ。もう旦那には会わない。食繋ぎのためで、別れた旦那にキスを引き換えるだなんて、情けないもん。…っていうか、キスってそんなためのもんじゃないもんね。…永田のキスで、こっちのがホンモノだって思ったの…」 はっ…! サラッとまた何言った私! 今、凄い恥ずかしい言葉を、うっかり言ってしまったよね。 「早く出てけ」 私は静かに部屋の扉を閉めて、またオンボロアパートへと戻って行った。 永田…、振り向かなかった。 冷たいはずなのに、気のせいか頬が赤く染まっていたような。 アイツ、本当に良く分かんないや。 私も失言した。 何か変な気分。
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