step2 言う通りにしろ

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スポンジで憎しみを込めて、ゴシゴシ洗う。 一体どんな関係なの、私たちは。 「永田さんって、はっきり言って変態ですよね?常識ないって言うか…」 「……」 おい、何か答えろや。 「私に何を求めてるんですか?」 「……」 おい、ガン無視かよ。 「ペットだとか言って、私、一応、女性ですよ?入浴中に勝手に入ってきて…」 「……」 だから、何か言ってみろ。 「色々と説教してきますけど、色気は人によって、出す時と出さない時があるんですよぉ、私は」 「……」 私はチラッと永田の顔を見ると、明らかに視線をそらされた。 見る見るうちに、泡だらになって、やがて私は彼と向き合っていた。 胸から腹部に掛けて洗ってあげて、さすがにその下は勘弁して欲しいから、手を止めた。 「後はもう自分で洗って下さい」 私も視線をそらした。 だって、その、なんつーか…アレが、明らかに視界に入るから…。 私は視線を、天井へとそらした。 ってか、やっぱり恥ずかしい。 私ってば、急にドキドキしてきた。 「てめぇ、何してくれんだ」 「はぁ?!」 私は彼の静かに吐き捨てる暴言に、思わず顔を歪ませた。 「どうしてくれんだ、これ」 自分のを指差しするなっての! 知らんし!! って、何で私を責める! 「いやらしい女だな、おまえって。この俺をこんな姿にしやがって」 逃げようとする私の腕を、強く掴んで永田は睨み付けながら言った。 「ってのは、冗談として。ったく、てめぇは。最後まで言われた通りに、きちんと洗えよ、バーカ」 「む、むかつく!」 片方の手で私の両頬を、ガバッと鷲掴む。 「逆らうと、自分の首を締める事になるぞ?」 「はひ、はひ…」 強引過ぎる! 脅しかよ! 仕方なく言われた通りにする。 「洗い方が、うまいじゃねぇか。いっそヘルスで稼いだらどうだ」 「ふざけないで!嫌々やってんの私は!」 私は視線をそらしたまま、ふてくされた。 「見上げろよ」 「嫌なこった」 「俺の言う通りにしろ、トシコ」 …!
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